がんの最先端免疫療法 ~ペプチドワクチン治療~

カテゴリ がん
ジャンル 研究
氏名 中村祐輔
役職 シカゴ大学医学部血液・腫瘍内科教授・個別化医療センター副センター長 兼
東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター
ゲノムシークエンス解析分野特任教授
神奈川県立がんセンター特別顧問
施設名 東京大学 医科学研究所
住所 東京都港区白金台 4-6-1
主な病気名 肝臓がん,膵臓がん
主な治療名 免疫療法, ペプチドワクチン

【本動画について】

本動画は2012年10月10日に掲載されたものです。
研究中のものですので、患者様に対する対応はいたしかねますので、ご了承ください

治療法のない患者の癌が消えるケースもある免疫療法。
この分野での世界的権威で、シカゴ大学医学部血液・腫瘍内科教授・オーダーメイド医療部門副センター長として、がんペプチドワクチン治療とがんの新薬の実用化に向けた研究に挑まれているのは、中村祐輔教授(東京大学医科学研究所附属ヒトゲノム解析センター長・教授)です。
がんペプチドワクチン治療は、独自のワクチンを投与することで、ヒト本来の免疫力を飛躍的に高め、癌を退治する画期的な治療です。今まで科学的でないと批判を浴びてきた「がんワクチン療法」は、科学的な検証が可能な最先端の免疫療法として、現在では外科療法・化学療法・放射線療法に次ぐ「第4の治療法」として世界的に大きく注目を集めています。

このビデオで取り上げたテーマについて詳しくは、次のリンクを参照してください:

●特異的細胞障害性T細胞(CTL)
癌細胞にだけ特別に働いているタンパク質を見つける研究に10年以上前から取り組んできたなかで、癌だけに働いているタンパク質を発見しました。タンパク質は一般的に細胞のなかでペプチドと呼ばれる断片に分解されます。そのうち、一部のペプチドは白血球の型であるHLA分子と結合すると、細胞の表面に出ていきます。ウイルスや細菌などの外敵を排除する仕組みが我々の身体の中には元々備わっていますが、がん細胞を敵と見なして攻撃する可能性のあるリンパ球である「細胞障害性T細胞(CTL)」は、細胞を殺す細胞障害物質を外に分泌し、それによって癌細胞を殺すことが可能であるということが明らかになってきました。

・進行がん患者さんに希望を与える東大医科研版がんペプチドワクチン療法
(2010年3月 がんサポート情報センター)
http://www.gsic.jp/immunity/mk_06/07/index.html

特異的細胞傷害性T細胞(CTL)の標的認識機構


●がんペプチドワクチンの役割
がん細胞表面にあるのと同じペプチドを体内にたくさん導入し、がん細胞を攻撃するCTLを大量に増殖させ、我々の身体の中にある免疫の力を高めることによって癌細胞を殺す治療法の研究に取り組んできました。
人工的に合成したペプチドを大量に皮下に注射すると、免疫系が活発になり、ペプチドに反応するリンパ球が集まってきます。原理としては、このリンパ球が全身を巡り、癌の細胞を見つけて殺すことを目的に行います。最も大切なことは、増えたリンパ球が本当に期待した通りに癌細胞を殺すかどうかを検証しなければならないということです。リンパ球は1個ずつ受容体という受け皿を持っており、リンパ球ごとにその形は異なります。患者さんからリンパ球を提供していただき選り分け、投与したペプチドに反応するリンパ球が増えているかどうかを検証することが可能です。
がんペプチドワクチン治療が今までの免疫療法と違うのは、このような形で科学を導入することによって、原理に基づいて癌に対して、何らかの作用をしているかどうかを検証・評価することが出来ることです。

・驚き!がんワクチン治療最前線(2012年2月6日 NHKあさイチ)
http://www.nhk.or.jp/asaichi/2012/02/06/01.html

●がんワクチン療法の可能性
がんワクチン療法には、複数のワクチンを一度に使うことによって、より治療効果を高められる特徴があります。
さらに、当然ながら原理としても、がん細胞の数が少ない方が、この治療法の利点が生かされるため、もっと治療の早い段階、そして最終的には癌の予防にも使うことが期待されています。
がんワクチン療法は、現在では外科療法・化学療法・放射線療法に次ぐ「第4の治療法」として世界的に大きく注目を集めています。

・国家戦略欠如「無力さ」痛感 医療イノベーション推進室長辞任の中村祐輔教授(2012.1.15 産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120115/trd12011522260014-n1.htm

・Top Japanese scientist leaving government post to move to the University of Chicago Medical Center(2012.1.9 The University of Chicago Medicine )
http://www.uchospitals.edu/news/2012/20120109-nakamura.html

『がん研究、戦略持って再構築を』 中村祐輔・東大医科研教授(2010年5月27日 ロハス・メディカル)
http://lohasmedical.jp/news/2010/05/27133010.php

【職歴・学歴】

1977年 3月 大阪大学医学部卒業
1977年 6月 大阪大学医学部付属病院(第2外科)
1981年 4月 大阪大学医学部附属分子遺伝学教室研究生
1984年10月 米国ユタ大学ハワード・ヒューズ医学研究所研究員
1987年 9月 米国ユタ大学人類遺伝学教室助教授
1989年 9月 (財)癌研究会癌研究所生化学部部長
1994年10月 東京大学医科学研究所分子病態研究施設教授
1995年 4月 東京大学医科学研究所ヒトゲノム解析センター長(2011年1月迄)
2005年 4月 (併任)理化学研究所 ゲノム医科学研究センター長(2010年3月迄)
2010年 4月 (併任)理化学研究所 ゲノム医科学研究センター 特別顧問
2011年 1月 (併任)内閣官房参与・内閣官房医療イノベーション推進室長(2011年 12月迄)
2012年 4月 シカゴ大学医学部 内科教授、外科教授/個別化医療センター 副センター長
(併任)東京大学医科学研究所 ゲノムシークエンス解析分野  特任教授

臨床の場合、治療効果には個人差があり、必ずしも効果を保証するものではありません。
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